並木のきままに

気ままにやってます

雪はねに命を懸ける人たちの物語

目が覚めた。

時計を見ると午前5時。

 

外はまだ暗い。

 

新聞を取りに行くと雪が積もっていた。

昨日から15センチは降っているだろう。

 

僕は新聞を読んでから出動しよう。

 

 

 

「ザク、ザク、ザク、、、」

 

 

外から音が聞こえる。

 

隣に住む沢田だ。

沢田はいつも薄暗い時間帯から出動し始める。

日の出前からするのは本来タブーであるのは皆気がついているのだがそれについて言う人はいない。

 

 

 

窓からほんわかとした日差しが入ってきた。

今日は曇り混じりの晴れだ。

 

もうイメージはできている。

防寒着の言うなの戦闘服に身を包んで玄関を開ける。

 

玄関に並ぶ武器の中からママさんダンプを手に取りまずは自分の行く手を阻む奴らを道路に出す。

 

一定の量までであれば道路に出してもいいと言う暗黙のルールがある。

一定の量を超えれば近隣住民の苦情となるが超えなければ町の除雪によって数日後には排雪されるのだ。

 

行政というのは不思議なものだが利用できるものは利用した方がいい。

 

定量がきたら次は積み上げだ。

 

ママさんをジョンバーに持ち替え高く積み上げる。

 

始めてから1時間やっと1ヶ所目が終わった。はじの方は綺麗に角を作るのが綺麗に仕上げるコツ。

 

あともう2ヶ所あるが昼からやろう。

 

 

隣の家からの雪の侵入は許さない。

毎日綺麗に整えていれば少しの変化はすぐわかるのだ。

俺の目を舐めるなとばかりに戻しておく。

直接は本人に言わないが本当は少し雪が崩れて領域を犯してくるだけでも怒鳴りたいくらいなのだ。

 

侵入をしなくても隣の家が除雪を怠っているだけでも気になってしまう。

1日数時間やるだけでいいのにと・・・。

運動だと思い数時間すれば綺麗になるし一石二鳥である。

 

そう私は雪はねに命を懸けている。

この気持ちが少しでも多くの人に届けばと思う。

 

終わり